前回の悔しさを胸に…
前回のブリキャスティングでは、せっかく掛けた初ヒットを痛恨のフックアウトで逃してしまいました。
魚影を目の前にしてバラすという、釣り人にとって一番悔しい結末。
呆然と立ち尽くす僕の横で、鳥山も静かに消えていき、達成感どころか虚無感しか残りませんでした。
でも、不思議とその悔しさは僕を釣りから遠ざけるどころか、むしろ強烈なモチベーションになっていました。
「次こそは絶対に獲る」——その一心で、家に帰ってからはタックルを見直し、ファイト動画を繰り返し観てイメージトレーニングを重ねました。
この準備期間すらワクワクして、すでにリベンジは始まっていたのかもしれません。
出船、そして鳥山との再会
迎えたリベンジ当日。快晴、弱風、ウネリ有りで少し心配なコンディションでした。
船が港を離れると同時に、心臓が早鐘を打ち始めました。
「今日こそ必ずキャッチする」——自分に何度も言い聞かせながら、手のひらにはじんわりと汗。 沖に出て1時間ほど経った頃、水平線の向こうに鳥山が現れました。
海面に無数のベイトが跳ね、鳥が次々と突っ込んでいく光景。 前回の悔しさが一気に蘇り、体中の血が熱くなるような感覚に襲われました。
仲間の「行くぞ!」という声と同時に、僕は夢中でキャスト。
数回のジャークの後、ルアーが水面にダイブした瞬間—— 「ドンッ!」 竿に伝わる衝撃。
腕に響く重み。 「来たッ!」心臓が爆発するように跳ね上がりました。

ファイト開始——冷静さとの戦い
ブリの強烈な引きは、まるで海に引きずり込まれるよう。
前回は腰が引けてヘッピリ腰になっていましたが、今回は違います。
竿をしっかり立て、ドラグが鳴っても焦らず魚に走らせる。
糸のテンションを抜かないことだけを意識しました。
ドラグが「ジジジッ」と音を立てて糸を送り出すたびに不安は募りますが、今回は信じることにしました。
「竿の反発力が必ず魚を浮かせてくれる」——そう心の中で繰り返しながら、一進一退の攻防が続きます。
今回は「絶対にバラさない」と自分に言い聞かせ、集中を切らしませんでした。

魚影、そして最後の突っ込み
ようやく海面近くにブリの魚影が見えました。
「あれがブリか…!」 前回はここで気が抜けてしまい、痛恨のフックアウトにつながりました。
でも今回は違います。
魚影が見えても、呼吸を整えて冷静さを保ちました。
船長がタモを持ってスタンバイ。
その瞬間、魚は最後の力を振り絞るように突っ込みました。
竿が大きくしなり、ドラグが再び鳴り響く。
心臓が喉まで飛び出しそうになりましたが、「落ち着け、絶対に獲れる」と自分に言い聞かせました。
そして——次の瞬間。
タモの中にブリが滑り込みました。
初キャッチの瞬間
「獲ったぁぁぁぁ!!!」 仲間と同時に叫んだあの瞬間の感動は、一生忘れません。
タモに収まったブリは、まさに堂々たる姿。
手に持った瞬間の重みと、今まで感じたことのない達成感が胸を満たしました。
ただの1匹の魚ではありません。
悔しさを乗り越え、冷静さを保ち、仲間と一緒に掴んだ「特別な1匹」でした。

学んだこと
今回のリベンジ成功から学んだことはシンプルです。
- ドラグ調整は必ず出船前に確認すること
- 竿の反発力を信じること
- 魚影が見えても最後まで冷静さを失わないこと
この3つを意識するだけで、ファイトの安定感は全く違いました。
釣りはテクニックも大事ですが、何より「心の余裕」が釣果を左右するんだと実感しました。
まとめ
初めてのバラしからのリベンジ成功。
失敗と成功を両方経験したからこそ、ブリキャスティングという釣りが持つ魅力を深く理解できた気がします。
簡単には獲れない魚だからこそ、1匹の価値は何倍にも大きくなる。
悔しさも、緊張も、歓喜も全部含めて——ブリキャスティングは最高の釣りです。
もし、あなたもブリをバラして落ち込んでいるなら、その経験は必ず次の1本に繋がります。
僕のように「リベンジ成功!」の瞬間を味わえる日が、きっと来るはずです。
豪快なファイトと、心が震えるような感動を、ぜひあなたも体験してみてください。