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【初心者必見】スロージギング入門|タックル選びからアクションの基本まで徹底解説|

「スロージギングを始めたいけどなにを揃えればいいかわからない。」

「どんなアクションをすれば釣れるのか?」

スロージギング初心者の方はこう思ったことはあるのではないですか?

この記事を読めば、スロージギングの基本からタックルの選び方、ジグの種類、アクションのコツまでをわかりやすく学ぶことができます。

これからスロージギングを始めたい方はヒントとなる情報が満載です。

この記事を参考に、海に潜む大物との出会いを楽しんでみましょう。

スロージギングの特徴

元釣具屋店員

スロージギングってなに?

普通のジギングとなにが違うの?

スロージギングは、ゆっくりとしたテンポでメタルジグを動かして、魚にじっくりアピールする釣り方です。

従来のジギングが「スピードとリアクション」で魚に口を使わせる釣りです。

それに対し、スロージギングは「間(ま)」と「フォール」を重視する釣りです。

メタルジグをスローに動かすことで、青物だけでなく根魚やマダイなど、多彩な魚種を狙えるのが魅力です。

体への負担も少なく、初心者でも長時間楽しめるのもポイントです。

スロージギング用のタックル

スロージギングでは、各タックルがジグの動きを支える重要な役割を持っています。

ロッドのしなやかさ、リールのパワー、ラインの太さやリーダーの強度ーー

この4つのバランスが取れていることで、ジグのアクションが自然になり、魚を誘いやすくなります。

まずは、水深別にどのようなタックルを選べばよいかを表で見てみましょう。

水深別・スロージギングタックルの目安表

水深の目安使用ジグの重さロッド(番手・特徴)リール(タイプ・ギア比)ライン(PE号数)リーダー(太さ・長さ)
〜60m100〜150g1番(Lクラス)
シャロー向き・繊細な操作に最適
ベイトリール1000番〜1500番PE 1.5〜2号フロロ4〜6号/約3〜4m
60〜120m150〜200g2番(ML〜Mクラス)
初心者に最もおすすめの万能タイプ
ベイトリール1000番〜1500番PE 1.5〜2号フロロ6〜8号/約4〜5m
120〜180m200〜250g3番(M〜MHクラス)
中深場対応・しっかりした操作性
ベイトリール1500番〜2000番PE 2〜3号フロロ8〜10号/約5m
180〜250m250〜300g4番(MH〜Hクラス)
潮流の早いポイント・大型狙いに
ベイトリール1500番〜2000番PE 2〜3号フロロ10〜12号/約5〜6m
250m以上300g〜5番(Hクラス以上)
深海・大型青物用のパワーロッド
大型ベイトリール
2000番〜
PE 2.5〜4号フロロ12〜14号/約6m

ロッド

スロージギングロッドは、しなやかでジグの重みをしっかりと受け止める設計が特徴です。

シャクリのたびにジグを”ゆっくりと持ち上げて落とす”動きを生むため、ロッドの反発力と復元力が重要になります。

長さは6ft前後、ジグの重さや水深によってクラスを選ぶのが基本。

浅場(60m前後)では1〜2番クラス、深場(150m以上)では3〜4番クラスを選ぶのが目安です。

また、軽量なロッドを選ぶことで一日中シャクっても疲れにくく、操作性もアップします。

リール

スロージギングではベイトリールが主流です。

フォール中のジグの動きを手元で感じ取りやすく、底取りも正確にできます。

また、ローギヤタイプは強い巻き上げが得意で、ハイギアタイプは手返しが速くなります。

ドラグ性能が高く、糸巻き量が200〜300m確保できるものを選ぶと安心です。

糸(PEライン)

スロージギングでは、伸びの少ないPEラインが欠かせません。

水深が深くなるほど感度が落ちやすいため、細くて強いPEラインが有利です。

一般的にはPE2号前後を使用し、水深やターゲットによって太さを調整します。

また、25mごとに色分けされたマルチカラーラインを使うことで、タナを正確に把握できるのポイントです。

リールには最低でも200m、できれば300m巻いていると安心です。

リーダー

リーダーは、根ズレや魚の歯によるラインブレイクを防ぐ重要なパーツです。

素材はフロロカーボンが主流で、長さはおおむね3〜5mが目安。

PE1号ならリーダー20〜25lb前後、PE2号なら30〜35lb程度がバランスの良い組み合わせです。

ノット(結び方)は強度の高いFGノットやPRノットを習得しておくと安心。

この結束部分の強度が釣果を左右するといっても過言ではありません。

元釣具屋店員

普通のメタルジグと違う?

動き方も違うの?

メタルジグの種類

スロージギングの魅力のひとつが、メタルジグの多様さです。

形状や重心の位置によって動きが大きく変わり、魚の反応もガラッと変わります。

「どんなジグを使えばいいの?」という初心者の疑問に答えるため、ここでは代表的なジグの種類と特徴を紹介します。

センターバランスジグ

最もオーソドックスで、スロージギングの基本となるタイプ。

重心が中央にあるため、水平フォールやスライドアクションが得意です。

巻き上げて止めた瞬間にヒラヒラと落ちる自然な動きで、青物や根魚、どちらにも効果的です。

初めての1本には、このセンターバランスタイプを選ぶのがおすすめ。

フロントバランスジグ

重心が『前方(アイ側)』にあるタイプで、ロッド操作にたいしてジグが水平姿勢をとりやすいのが大きな特徴。

しゃくりを入れた瞬間にジグが前方へスッと滑るように動きます。

そのため自然なスライドアクションを演出しやすく、魚が食いつく”間(ま)”を作りやすいのが魅力です。

センターバランスのジグだと、どうしても水の抵抗で尻下がりの姿勢になりがちですが、フロントバランスならより水平に近い姿勢をキープしやすく、魚に違和感を与えにくいです。

リアバランスジグ

重心が”後方(フック側)”にあるタイプ。

フォール時に後方からゆらめくように沈み、魚の視線に長くジグを見せることができます。

潮が緩いときや、食いが渋い状況でじっくり見せたい時におすすめ。

アクションを控えめにして「止めの間」で食わせるようにな誘いに向いています。

スロー特化タイプ(左右非対称)

近年人気が高いのが、左右非対処のスロージグ。

一方が厚く、もう一方が薄く設計されているため、不規則なスライドとヒラヒラフォールを生み出します。

フォールで食わせたい時や、底活性時に特に効果的。

「ジグを動かしすぎず、魚に見せて食わせる」ーーこれがスロージギングらしい誘い方です。

ポイント

  • 浅場=軽め(100g前後)
  • 深場=重め(200〜300g)
  • 潮が速い日はフロント重心
  • 食い渋りにはリア重心や非対称タイプ

知っておきたいスロージギングのアクション

スロージギングの醍醐味は、”ジグをどう動かすか(=アクション)”にあります。

同じジグでも、動かし方ひとつで魚の反応が全く変わるのが面白いところ。

ここでは、初心者がまず覚えておきたい代表的な3つのアクション

「ワンピッチ」「スローピッチ」「早まきからのスローフォール」について紹介します。

ワンピッチ

スロージギングの基本中の基本となるアクション。

リールの一巻きに合わせてロッドを1回シャクるという、非常にシンプルな動きです。

ジグが「上へ跳ね上がる → 一瞬のフォールで落ちる」というリズムで繰り返すことで、魚に自然な”逃げる小魚”のような動きを演出できます。

慣れるまでは、一定のテンポを意識して”リズムよく”続けることが大切です。

青物を狙うときの基本パターンとして、まずはここから始めましょう。

スローピッチジャーク

スローピッチジャークはより”間(ま)やフォールを大切にした誘い方です。

ロッドをゆっくりと立ち上げ、ジグが水中でフワっと浮いてからゆっくり沈む動きを作ります。

この「浮く → 落ちる(フォール)」のタイミングが食わせの”間(ま)”です。

根魚や青物など多魚種に効果的です。

フォール中にアタリが出ることも多いため、ロッドを上げた後はテンションを抜きすぎてはよくありません。

”ジグの重み”を少し感じながらフォールをコントロールするのがコツです。

早まきからスローフォール

水中の魚に緩急をつけて反射的に食わせるテクニックです。

まずリールを素早く数回高速で巻き上げ、その後にジグをフワっと落とすのが基本の流れです。

この”スピードの変化”が、青物のスイッチを入れるトリガーになります。

反対に、底活性時にはスローよりに落とすことで、魚に「ゆっくり見せて食わせる」チャンスを与えることができます。

元釣具屋店員

ジグはどうやって結べばいいの?

僕がいつも縛っている縛り方を紹介します。

ジグの結び方

スロージギングでは、ラインとジグを確実に結ぶことがとても重要です。

せっかくの大物を掛けても、結び目が弱ければ一瞬でラインブレイクしてしまいます。

ここでは、僕が日頃使っている結び方を2つ紹介します。

どちらも強度が高く、現場で信用できるノット(結束)です。

イモムシノット

本当の呼び方はわからないですが僕がいつも使っているノットです。

リーダーとジグ(スプリットリング)を結ぶときに使う強力な結び方です。

名前の通り、ラインが”イモムシ”のようなコイル状に巻き付くのが特徴。

見た目は少し複雑に見えますが、慣れると現場でも素早く結べます。

イモムシノットの縛り方
リーダーの先を折り返し輪っかを作ります。
イモムシノットの縛り方②
リーダーの輪っかをジグ(スプリットリング)に通します。
イモムシノットの縛り方③
輪っかをルアーに通し強く締め上げます。
イモムシノットの縛り方④
強く締めた後はハーフヒッチを10回、最後にエンドヒッチを2回して完成です。

田代誠一郎流リーダーとルアーとの結束

イモムシノットよりもジグ(スプリットリング)の結束部分が固定され強度も上がりす。

パッと身は似ていますが結束部分に違いがあります。

参考動画はこちらから

どんな魚が釣れるのか?

スロージギングの魅力は、なんといっても釣れる魚種の豊富さです。

浅場から深場まで、季節や場所によってさまざまな魚が狙えるのがこの釣りの醍醐味。

ここでは、代表的なターゲットである「青物」と「根魚」について紹介します。

青物(ブリ、カツオ、カンパチなど)

スロージギングで狙える青物は、ブリ・カツオ・カンパチといったパワーファイターたち。

ジグのフォール中やシャクリの直後に突然食いつくその瞬間は、まさにスリル満点です。

青物は泳ぎが速く、ジグのスピード変化やスライドアクションに反応しやすいのが特徴。

そのため、ワンピッチジャークや早巻きスローフォールのような”緩急のある動き”が効果的です。

また、潮通しの良いエリアや、ベイト(小魚)が集まる場所では、連発することも珍しくありません。

釣れるアクションがわかれば、船中で1人だけ釣れるということもあるのでその日のパターンを探してみてください。

根魚

スロージギングでは、底付近に潜む根魚(ロックフィッシュ)も人気ターゲットです。

代表的なのはカサゴやアオハタ、キジハタ(アコウ)など。

そこから数メートル以内でのフォールやステイに反応することが多く、スローピッチジャークが特に効果的です。

これらの魚は一度かかると強烈な突っ込みを見せるため、リーダーは太めの設定(6〜8号)を推奨します。

また、根がかりしやすいポイントでは、ジグの重さを軽くしてフォールスピードを焼成するのも有効です。

スローな誘いで丁寧にそこを探れば、思わぬ大物と出会えることもあります。

スロージギングで狙える主な魚種一覧

主なターゲット備考
カサゴ・マハタ・キジハタ岸寄り・根周りが狙い目
ブリ・ワラサ・ヒラマサ青物の回遊ルート
カンパチ・アオハタ・ホウボウスローな誘いが有効
メダイ・アカムツ・クロムツディープジギング領域

浅場では手軽に根魚を、深場では大物や高級魚を狙えるーー

それがスロージギングの最大の魅力です。

一つのジグをアクションで、こんなにも多彩なターゲットが狙える釣りはありません。

まとめ

スロージギングは、ゆっくりとした動きの中に、魚との駆け引きが詰まった釣りです。

ただ動かすだけでなく、ジグを操り深い海の中で魚に口を使わせるーーまさに”静と動”の釣り。

一見地味に思える動作の中に、ジグが舞い、魚が反応し、そしてヒットへと繋がる瞬間があります。

その一発の重みと、海の底へ引きずりこむようなファイトは、スロージギングならではの醍醐味です。

難しそうにみえても、基本を抑えれば誰でも始められるのがスロージギング。

道具を揃えて海に出れば、想像以上の世界が待っています。

ぜひ一歩踏み出して、その”ドラマ”を体験してみてください。